収集方法の比較イメージ(生成画像)。図を拡大して見る

既設のアナログメーターを交換せず、画像から指示値を読み取りたい。こう考えたとき、先に選びたいのは解析ソフトだけではありません。誰が、どこから、どの頻度で撮影するかによって、減らせる仕事と残る仕事が変わります。

同じ場所を繰り返し撮る固定カメラ、複数の点検箇所を移動する巡回ロボット、人が撮影するスマートフォン。それぞれを、計器の配置、必要な確認頻度、現場へ行く理由に合わせて選びます。工場・プラントの設備保全担当者とDX推進担当者に向け、比較するときの判断基準を整理します。

撮影の自動化と読み取りの自動化を分ける

画像から数値を読み取る処理を自動化しても、人が撮影する運用なら巡回は残ります。一方、固定カメラやロボットで撮影を自動化しても、画像を確認する作業や、機器の手入れまでなくなるとは限りません。まず、現在の仕事を「移動・撮影」「読み取り・転記」「結果確認」「現場での操作」に分けてみてください。

また、離れた場所から結果を見られる遠隔監視と、変化を途切れなく追う連続監視は別です。一定の間隔で静止画を撮影する運用では、撮影と撮影の間に起きた変化を捉えられない場合があります。遠隔で見られる仕組みでも、必要な撮影間隔とデータが届くまでの時間の確認が必要です。

三つの収集方法を同じ軸で比べる

表は横にスクロールして確認できます。

比較する点固定カメラ巡回ロボットスマートフォン
画像を集める方法設置位置から対象を撮影ルートを移動して撮影人が現場で撮影
検討しやすい場面同じ計器を繰り返し確認したい点検箇所が分散し、巡回を減らしたい人の巡回を残して記録を省力化したい
最初に確認する条件画角、取付場所、電源・電池、通信通行条件、撮影姿勢、巡回時間、充電携行・使用ルール、撮影条件、通信
運用に残る仕事清掃、位置ずれ確認、電池等の保守ルート変更、停止時の対応、機体保守移動、撮影、撮り直し

表は一般的な選定の視点です。特定製品の標準機能や、費用・性能の優劣を示すものではありません。

計器の数だけでなく配置を見る

同じ100点でも、一つの盤に集まっている場合と、建屋の各所に散らばっている場合では必要な構成が違います。固定カメラでは、何台設置すれば必要な計器を読める画質で撮れるかを確認します。一枚に多くの計器が写っていても、針や目盛りを識別できるとは限りません。

ロボットでは、移動できることに加え、計器の前で必要な位置・向きに止まり、読める画像を取れるかを確かめます。スマートフォンでは、担当者が変わっても同じ条件で撮影しやすいかがポイントです。盤面の反射、暗さ、汚れ、遮蔽物は、どの収集方法でも確認対象になります。

確認したい時間間隔から考える

一日一回の記録を残したいのか、短時間の変化を追いたいのかを先に決めます。次に、撮影の間隔、送信と解析に要する時間、担当者が結果を確認するまでの時間を分けて確認します。画面に最新の数値が見えても、撮影時刻が古ければ現在の状態とは限りません。

巡回ロボットでは、一周にかかる時間だけでなく、充電、通行待ち、再撮影を含めた実際の取得間隔を確認します。固定カメラでは撮影設定と電源・通信条件、スマートフォンでは人が訪問できる頻度が制約になります。必要な時間間隔を満たせない場合は、直接計測するセンサなども含めて方式を見直します。

急な変化への対応や設備保護が目的なら、画像の定期取得だけを前提にしないことが重要です。本稿で扱う読み取り支援を、安全装置や既存の保護機能の代替として判断しないでください。

巡回で行っている別の仕事を残すか考える

計器の確認と同時に、現場で弁を操作する、設備の状態を目視する、清掃するといった仕事をしている場合、メーターを自動で読めても人の訪問が必要なことがあります。巡回をなくすことだけを目標にすると、必要な仕事まで見落としかねません。

人が行く必要のある箇所では、スマートフォンで撮影し、読み取り・記録の負担を減らす方法を検討できます。遠隔で値を確認するだけで足りる箇所は固定カメラ、複数の取得対象を一つのルートで回れる箇所はロボットというように、箇所ごとに分ける考え方もあります。これは構成検討の例で、導入効果を保証するものではありません。

導入費と保守の手間を同じ期間で比べる

費用は本体や月額利用料に加え、取付・通信・連携設定・検証と、清掃・電池交換・充電・再設定・人の確認まで含めて比べます。既設機器を使えるかによっても追加費用は変わるため、「スマホなら安い」「点数が多ければロボットが得」と一律には決められません。

見積条件は同じ対象、取得頻度、評価期間にそろえます。減らせる時間と新たに発生する運用時間を分け、どの仕事を減らすための費用かを説明できるようにします。ロボットの費用対効果を詳しく検討する場合は、関連記事も参考にしてください。

関連記事 巡回点検ロボットの費用対効果を考える

少数の計器で日々の運用まで確かめる

候補を絞ったら、撮りやすい計器だけでなく、反射や位置の制約がある計器も含めて小さく試します。必要な精度と取得頻度を先に決め、次の点を同じ条件で記録します。

  • 予定した点検のうち、必要な時刻までに画像と結果を確認できた割合。

  • 許容する読み取り誤差に収まった件数と、読めなかった件数。分母をそろえて分ける。

  • 再撮影、結果確認、機器の保守にかかった人の時間。

  • 画像や結果が届かなかったとき、誰が気づき、どの手順で確認できたか。

数値がない状態を正常と扱わず、取得できたか、読めたか、設備の値に変化があったかを分けます。通知や未取得の管理が製品でどこまでできるか、運用で補う部分は何かを確認してください。以上は実証の評価項目であり、AIMOS-DXにすべてが実装されているという仕様説明ではありません。

AIMOS DXで相談できる範囲

AIMOS-DXは、画像解析アルゴリズムを基本としたメーター読み取りを提供しています。読み取れる計器や必要な撮影条件は、実際の画像・動画を用いて確認します。画像に写る指示値を読めることと、計器そのものの校正状態や設備の健全性を確認できることは別です。[1]

ロボット連携では、巡回・データ取得・機体管理はロボット側が担い、AIMOS-DXは収集後のデータ連携・解析・通知・報告を支援します。スマートフォン連携では、人が収集した画像などをアップロードし、AIMOS-DXで解析・管理して結果を確認する流れです。接続する機器やシステム、取得頻度、通知条件は個別に確認します。[2・3]

固定カメラについては、本稿では一般的な比較対象として紹介しています。任意のカメラからAIMOS-DXへ標準接続できると判断せず、画像の取得方法・形式・連携条件を相談してください。

相談前には現場の条件を一枚にまとめる

対象の計器と配置、確認したい頻度、現在の巡回で行っている仕事、既設のカメラやロボット、通信条件を、分かる範囲で整理すると方式を比較しやすくなります。計器画像を共有する場合は、社内の情報管理ルールに従い、共有できるものをご用意ください。

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参考資料

[1]AIMOS-DX メーター読み取り

[2]AIMOS-DX ロボット連携

[3]AIMOS-DX スマートフォン連携